現代の日本は長寿社会となりつつ、多くのご高齢社が元気に過ごされている様子が見られます。しかしお口の中はどうでしょうか? 日本歯科医師会が唱えた8020運動もかなり前にスタートしましたが未だに多くの方々が自分の歯をなくし、食べること、話すこと、そして顔の顔貌に不自由を感じているのが現状です。
自分の歯を多数失い、現在入れ歯をお使いの方に、今までの診療を通して多くの患者さんから得られた情報とそれに基づいた私なりの経験をお話ししたいと思います。
マイシティジャーナルへの投稿文 (川口市南部を中心とした読売新聞の折り込みタウン情報紙)
令和元年6月13日号
入れ歯について
なんらかの理由でご自分の歯を失い、バネが付いた取り外しの入れ歯や総入れ歯をご使用中の方も多く見られます。今回は新たに作成した義歯をいかにご自分に合った使い方で咀嚼できるようになるかそのポイントを探ってみたいと思います。新しい入れ歯を装着するにあたり、患者さんたちは今よりはずっと噛み易くなるだろと大きな期待感を持っていること思います。我々歯科医としてもそれに答えるべき様々な工夫をして義歯を作成しています。100人の患者さんがいれば皆それぞれ異なった口腔内の環境を持ち合わせており、それにもっと重要な100人それぞれの噛み合わせや噛み方の癖が有るということです。ブリッジやインプラントのようなご自分の歯や顎の骨に固定されている補綴物は装着後に新たな噛み合わせに順応していかなくてはなりませんが、取り外しの入れ歯は患者さん自身が持っているご自分の歯が噛み合わせに対応すべき調整を施していかねばなりません。新たな義歯を患者さんに装着するにあたり、その患者さんがどのように入れ歯を使いこなしてくれるかは未知の部分が多くあります。現在使用中の入れ歯を修理し、よく咬めることを確認してから新規に作成することがありますが、これも患者さんに対する未知数を少なくするためです。新義歯装着時は患者さんを知る上での第一歩です。噛み合わせの調整を行っているときは積極的に関わって、ご自分の咬む場所をアピールしてください。目をつぶり、口元に力が入っている状態では正しい噛み合わせが分かりません。義歯の調整は痛みを伴いませんから、リラックスしてください。新義歯は不都合な部分が多数あります。患者さんご自身が通常の使い方をして、不都合な部分を指摘してください。それらを一つ一つ解決しゆくことで、最終的にはよく咬める義歯になると思います。次回は義歯のお手入れについて述べます。
令和元年7月25日号
入れ歯について(お手入れと使用中の注意点)
新たに作製した入れ歯について受診時の注意点を前回書かせて頂きました。患者さんそれぞれの特徴ある口の中で入れ歯がきちんと役目を果たすには、患者さんの噛み合わせや癖などを見極め一つ一つ不都合な部分を除いてゆく事が必要なことです。義歯を入れたからこれを使って慣れて下さいというのではなく、堅い物も含めてご自分の噛み合わせで咬んで頂き、その時の使用感を述べるようにして下さい。義歯に対する違和感が少なくなってくれば当然義歯としての役目を果たすようになると思います。義歯のお手入れですが、食後には口から外して流水下で洗浄し、同時にお口もすすいで下さい。夜寝る前にはきちんと洗って下さい。入れ歯の表と裏、バネのある入れ歯はバネの内側を丁寧に、白いヌルヌルを残さずに、小さな亀の子タワシを入れ歯洗浄用にして何も付けないで優しく磨いてもきれいになります。夜は症例にもよりますが原則外して下さい。昼間のストレスを就寝時に解放させるようにします。入れ歯を長く使っていると痛い所ができたり、緩くはずれやすくなったして思うような使い方ができなくなってくることがあります。その時に安定剤を使って様子を見るなど自己判断しないで直ぐに歯科医院を訪れて下さい。わずかな修正で済むかもしれません。また定期的な検査も必要です。今使っている慣れた状態の義歯で奥歯でしっかり噛めるように維持していくよう心がけることが早道かと思います。
お口の中には上の顎と下の顎が合い対応して(歯があればかみ合って)機能を果たします。上下どちらかの顎または両方ともにまったく歯がないような状態は 総入れ歯(総義歯)を装着します。
自分の歯が残っている場合は様々な方法があります。抜けた部分が少なく、残っている自分の歯を土台して固定する方法(ブリッジ)これは自分の歯にしっかり固定されており、装着感も違和感が少ない。歯が無くなった部分を取り外しの入れ歯(局部義歯)を用いる方法では、入れ歯に様々な付帯装置が付き,装着時の違和感が大きいです。
補綴装置としてもう一つは歯を金属やその他の材料でかぶせることです(冠・クラウン)。かぶせる場所により、制作物も変わってきます。
奥歯のように外からあまり見えない部位には金属そのものでかぶせることが多く、とにかくそれ自体は壊れません。前歯やそれに続く奥歯では自然な状態を確保するためなるべく金属色が見えないような加工をします。いずれにしましても、接着セメントで頑丈に自身の歯に着けますので違和感はほとんどありません。その日から普通に食事もできます。
私の専門は総義歯やバネの付いた取り外しの入れ歯です。歯を削ってかぶせものをする治療に関しては今回記載しておりません。
固定式のブリッジやクラウンとことなり、取り外しの入れ歯は、顎の土手の上に乗った状態で機能していますの、顎の骨の変化は入れ歯のがた付きに大きく影響を及ぼします。また、バネを含んだ入れ歯では入れ歯のがたつきや、入れ歯の出し入れでバネがゆるんできます。
しばらく正常に使っていても、顎の変化や噛み合わせの変化で入れ歯の方に変化がなくてもがた付きやかみ応えの変化を感じる物です。
変化の特徴を知る上で次のような症状が現れると思います。
●入れ歯を入れられない
日常、人と対面するときは入れ歯を入れておくが、食事の度にはずしてしまう。
入れ歯は本来人間にとって異物そのものです。それを口の中に入れ機能をさせること自体たいへんな事です。
入れ歯を入れないでの食事は材料を細かくきざむか、とろみを付けた流動食になってしまいます。
胃腸障害を起こす危険性
強く咬むことができないので頬の筋肉が衰え、顔にしわが増えて、顔の下半分が老人性の顔貌に変貌する。
咬むことに関与する筋肉を使わないのでそれに影響する唾液の分泌がなくなり、口が乾燥する。
しっかり咬むことで脳への血流量が増え、脳の悪影響を減らす。
入れ歯を入れられないで悩むことはありません。
現在の入れ歯の不都合な箇所を一つ一つ解決してゆく事が大切です。
出来上がった入れ歯をご自身がならすことではなく、ご自身の噛み合わせに我々歯科医が合わすことができれば最終的に充分機能を発揮できるようにと考えています。
●入れ歯がゆるくなった。
話している間に入れ歯がはずれるような気がする。(はずれてしまうのは手遅れ)
奥歯でほうれん草のような野菜がかみ切れない。
右と左どちらかに食塊(形ある食べ物)を置いて咬もうとすると入れ歯がシーソーのように揺れて外れてしまう。
特定な所で咬もうとするとはずれてしまうため。
咬んでて痛みがあるため、そこを避けるような噛み方をしてしまう
お餅やガムは入れ歯には禁忌ですが、少し粘りのある食品でもはずれてしまい、前に比べて噛みづらくなった。
入れ歯の形の変化として、人工歯(入れ歯に着いている歯)の咬む面がすり減ってきたためにかみごたえがなくなった。入れ歯に着いているバネがゆるくなった。
ヒビがはいってきた。落としてピンクの部分が飛んで行ってしまった。人口歯が外れてしまった。このような症状がでても気にせず使用していると、
それを補うように本来自分の持っている噛み方を変えて入れ歯を使用することになります。
このようなことを長く続けているとご自分の噛み合わせ(上の顎に対しての下の顎の位置関係。ご自分の歯が全部揃っていれば上の歯の咬む面と下の歯の咬む面が重なる 位置、 つまりしっかり咬んだ状態が上の顎に対しての下の顎の位置が決定できますが、ことご自分の歯の数が少なくなっていくに従い下顎の位置が危うくなります。
総入れ歯のような歯が全くない状態では噛み合わせの高さや、横方向や縦方向の位置もバラバラです。)の位置を正確に再現することが難しく、またその位置を
決定するのに時間がかかります。
入れ歯が入れば直ぐに何度も咬めるなんてことはまずありません。ご自身の本来持っている噛み合わせ場所の中心に入れ歯の噛み合わせ場所の中心を合わせ、
そこで発生する痛みや義歯の不都合箇所を取り除いてゆかないとしっかりと、強く、ガタガタしないで咬める入れ歯はできません。
がまをすることは逆に悪い方向へ進んでしまいます。
いつもと違うなと感じたら、早めに受診しましょう
現在使用中の義歯で何らかの違和感を生じたとき、歯科医院に連絡を取り、受診されることと思います。
受診されますと予診と言うことで、患者さんの現在使用中の義歯に対しての使用感や義歯に対してのご希望などをお伺いします。
義歯があたる、ゆるい、よく咬めない、くしゃみをすると飛んでしまう。咬む音がする等 具体的にお話しすることが大切です。
かしこまって、こんなことを言ったら失礼かもと遠慮したり、このくらいはガマンの内かな等とか思っている項目が大切なことかもしれません。
「新しく作って下さい」と直ぐにおしゃって来る患者さんも多くいますが、今お困りの原因を無くさない限り、今以上に優れた義歯は作れないと思っています。
恩師 溝上隆男教授(故人)は現在使用中の義歯を改善し、患者さんの満足を得てから新しい義歯を作ることを心がけていました。
顎の土手と入れ歯との適合状態を改善し、さらにこれが最も大切ですが、入れ歯の噛み合わせを個人の噛み合わせに合うように修正したのち、しばらく使用感をみて
(患者さんの噛み合わせを正しい位置に移行している)新義歯の作製をしていました。
義歯は本来、奥歯で堅い物をしっかりと咬むことができ、それによる咀嚼筋(物を咬むために働く顎を支えている筋肉)が活動して、唾液の分泌を促します。下顎の頬の直ぐ後
にある筋肉ギュッと咬むと膨れるところとあと顎の裏側にも同じような筋肉があります。そこに力が入ることでだえきの分泌が盛んになります。咬まないで丸呑みばかりしていると唾液の分泌がなくなり、口の中の乾燥が起こる一つの要因となっています。
前歯は基本飾りと思って下さい。前歯や糸切り歯で堅い物を咬むと外れる原因になります。人工歯を並べている位置が堅い物をかみ砕く位置にありません。
無理にリンゴをかじったり、せんべいを前歯で砕いたりしないで下さい。そのようなことができないといって入れ歯安定剤など使わないで下さい。
歯科医院を訪れるときには安定剤は付けないままで、本来の様子を示して不都合部分を指摘して下さい。
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Q&A 総入れ歯についてのいろいろな疑問
初めて入れ歯をいれるのですが どのような注意が必要でしょうか?
●はめるときとはずすとき
はめ方とはずし方は歯ぐきの形によって違います.しかし一般的に,上の入れ歯をはめるときには前から上後方に向かって入れ,はずすときは前歯の部分をつまんで前に,そして上におしあげ義歯の後方の部分に空気を入れるようにしてはずします.
上の入れ歯は前歯を引っ張ってもなかなかはずれません.
下の入れ歯をはめるときには前から後下方に向って入れ,はずすときは前歯をつまんで後方を持ちあげるようにしてはずします.
下の入れ歯は上の入れ歯に比べると簡単にはずれますが,舌でおし出したりしてはいけません.
●話すとき
声を出して文字を読む練習をしてください.次第にスムーズに話ができるようになります.入れ歯に慣れてきても特定の音だけが発音しにくいようなときには歯医者さんに相談してください(入れ歯の裏側の歯ぐきの部分の形を調整すると治ることがあります).
●食べるとき
最初に食べる食べ物は,なるべく柔らかいもので小さく切ったものをゆっくり食べるようにしましょう.
急いで食べると入れ歯に問題がなくても舌をかんだりする二とがあります.慣れてきたら徐々に硬いものを食べてみましょう.
●慣れるために
慣れるためにできるだけ長時間入れてください.ただし,はめているだけでも痛いのは我慢してはいけません.粘膜を傷つけたり,かむときに悪い癖がついたりします.歯医者さんにみてもらいましょう.
入れ歯をつくるには何回ぐらいかかりますか?
口の状態は人によって大変違いますので“ふつうは何回ぐらい”とは言えません.残った歯ぐきの条件がよい場合には3,4回で入れ歯の形ができることもあります.
条件の悪いときには型を2回以上とったり,かみ合わせを決めるにも特殊な機械を使ったりして8,9回あるいはそれ以上かかることもあります.
入れ歯の形はできても,口の中になじんで本格的に使えるようになるまでには,さらに何回か調整したりします.
下の入れ歯が具合わるいので下の入れ歯だけつくって欲しいのですが?
一般的に,上の総入れ歯よりも下の総入れ歯のほうが安定が難しいのです.
これは下のほうが入れ歯と接触する面積が少なく,土手(歯ぐきの高まり)が低いので,どうしても動きやすくなります.
さらに,しゃべったり食べたりするときの舌があたってはずれやすいのです.
総入れ歯は上と下が対になってうまく慟くものです.下の入れ歯の具合が悪いのは,上の入れ歯を治さないと治らないこともあります.
ですから,下の入れ歯だけつくりかえれば下の入れ歯が具合よくなるとは限りません.
下の入れ歯だけつくりかえればよいのか,上下ともにつくりかえる必要があるのか歯医者さんと相談することが大切です.
総入れ歯は何年ぐらいもつのでしょうか?
同じ入れ歯をどのくらいの期間使えるか,ということの一番の鍵は,歯ぐきや顎の状態がどのくらいの期間同じ状態を保てるかにあります
●歯ぐき・あごの状態からみると
ふだんの入れ歯の使い方,手入れの具合によって歯ぐきや顎の変化のしかたが違います.
体調の変化によっても歯ぐきや顎の形が変わります.
無理なかみ方,歯をくいしばる癖があると歯ぐきには大変な負担になり歯ぐきを痛め,歯ぐきや顎の変化も急速におこります.
急場しのぎは別として,市販の入れ歯安定材を長く使うと,歯ぐきは著しく変化します.
また,痛いので自分で削るようなことをしますと不適切な削り方がもとで歯ぐきは著しく変化します
●入れ歯の材料からみると
ブラスチックの歯はソフトで,なじみやすいのですが,すり減り方も早く,1~2年ですり減ってしまうこともあります.
ブラステックの歯や義歯床(歯ぐきの部分)は手入れや保管の状態が悪いと,ひび割れしたり変色したりします.
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長時間の話しをするとき,入れ歯が落ちそうで心配ですが?
長い時間,話をしたり,緊張したりすると唾液の量が少なくなって口の中が乾燥し,入れ歯がくっつきにくくなります.
そんなときは口をうるおすための水を用意しておいたり,義歯用接着材をあらかじめつけておくと安心です
市販されている人工唾液を口腔内にスプレーするのも,一次的ですがよい方法です.
寝るときは,いつも入れ歯をはずさないといけないのでしょうか?
寝るときははずすのが原則です.保管に際しては入れ歯の材料が水分を必要としますので水をいれた蓋つきの容器の中に入れてください.
ただし,初めて入れ歯を入れたり,入れ歯を新しくつくりかえたりしたときには,早く慣れるために寝るときも入れ歯を入れておいたほうがよいことがあります.
入れ歯をはずすと不安で眠れないという人がいますが,そのような場合には上の義歯だけ入れて寝てもよいでしょう
入れ歯のにおいが気になるのですが?
入れ歯についた食物のカスは口の中の温度や湿度で細菌の絶好の繁殖場所になり,においをたすようになります.
入れ歯を汚れたままにしておいたり,簡単に水洗いだけで済ませていると,においがとれにくくなります.
消毒のためといって熱湯を用いるのは禁物です.
入れ歯が変形したり,ひび割れしたり,変色したりします.
入れ歯には細かい溝があり汚れが落ちにくいので食事の後は義歯用ブラシで磨くようにしましょう.
亀の子たわしでも充分にきれいになりますが、クレンザーは使わずに優しく掻き出すように使って下さい
さらに入れ歯清掃剤を使用すれば安心です.
入れ歯の汚れが気になるのですが?
入れ歯の汚れには,歯石やプラーク(歯垢,食べもののかす)とよばれるもの,お茶,コーヒーあるいはタバコなどの色素の沈着物があります.
入れ歯の汚れの中には,義歯性口内炎をおこすカンジダというカビが住んでいます.
自然の歯と同じように毎食後磨いてください.少しの汚れなら義歯用ブラシで簡単にきれいにすることができますが,汚れがひどくなると自分ではきれいにすることができません.
義歯用ブラシを使うときには磨き粉は使用してはいけません.ブラステックの部分を傷つけてしまいます.
また,入れ歯清掃剤を使用するときは,ぬるま湯を使うとよいです
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入れ歯がゆるくてガタつくようになったのですが?
入れ歯は使っているうちに次第にゆるくなってきます.これは歯ぐきの高まり(土手)が変化するからです.
そのまま我慢して使っていると歯ぐきに負担がかかり,土手がなくなったり、悪いかみあわせかついたり,また顎の関節にも悪い影響がでます.
歯ぐきや顎の変化は少しずっお二るのでなかなか自分ではわかりにくいのですが,ゆるくなったと感じたときは歯医者さんに見てもらってください.
早めに処置すれば入れ歯も歯ぐきも長持ちします
入れ歯安定材は毎日使っていてもよいのでしょうか?
入れ歯がガタガタしたり,痛がったりして,話しにくがったり,かみにくい場合,市販されている入れ歯安定材(義歯用接着材)でその場はしのげます.
しかし,これは一時しのぎの応急的なものと思ってください.
使い方を間違えると顎の骨が急激になくなります.
義歯用接着材で一時をしのいだら歯医者さんに根本的な修理をおこなってもらいましょう.
義歯用接着材にもいろんな種類がありますが,粉末でも少量を使用し厚い膜状にならないようにします.
最初から固いガム状のものはよくありません
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歯がないので総入れ歯の場合は定期診査は受けなくてよいですか?
総入れ歯の人でも歯ぐきが変わったり,人工の歯がすり減ったりしますので,定期診査は必要です.
歯ぐきが変われば,人工の歯がすり減り,入れ歯がが夕ついたり,痛くなったりします.
そのまま入れ歯を使っていると顎がなくなったり,悪いかみぐせがついて,それを治すのに患者さんも歯医者さんも大変苦労することになります.
入れ歯を長い期間,具合よく使っていくのに,定期診査は欠かせません.
予備の入れ歯をつくってもらえないでしょうか?
入れ歯の予備は,ほとんど無駄になることが多いものですi
入れ歯を使用していると,歯ぐきの形が少しずつ変わっていったり,人工の歯の部分がすり減ったりして,入れ歯をつくった時点に比べると口の中の状況が変わってしまうからです.
いざというときに予備の入れ歯を使おうと思っても,痛くてかめないとか,話しにくくて十分には使えません.
ただ,入れ歯がなくなってしまって外観上具合が悪いときの急場しのぎ程度には使えますi
自動車の予備のタイヤや,スペアーの鍵のようなわけにはいきません.
Q & Aについては 健やかな人生と総入れ歯 監修 溝上隆男 編集 東京歯科大学歯科補綴学第一講座 株式会社 書林 を参考にしました。